何にも考えなくていい

「デトリタス見聞」

 

あのあかるい火も花も

みんないまは青の属性に入って、

一日黒く燃えていた

赦せないことが

叫ぶのをやめ、生命の活動をやめ、

静かに白く横を向いていくとき、

冷えて沈んでいく水平線に

わたしの座る椅子があるように思う。

 

(中略)

 

(黒庭。

思考はいつもここへ帰ってきて、

暗闇の中の雨を洗い出した。

一つずつに怒り、一つずつに後悔し、

這いずって、

そうした一つずつをわたしは赦そうと思う。

わたしはわたしの体のなかへ

受容していこうと思う。)

 

わたしには、見ることだけが

たしかに正義だった気がします。

 

「先刻、鯨の子が流れていったよ、

あの辺り、

海が青緑色になってプランクトンが塵のように集まって、

あんなに温かそうに渦を巻いているあたり、

大きな体のきれいな子が、

優しく、

花で飾られたお釈迦さまみたいなお顔をして、流されていったよ。

プランクトンたち嬉しくなって、

鯨の子のことをもうむちゃくちゃに

あいしているようだったよ。

鯨の子は、それは、

遠く、遠くへ、

プランクトンたちに見送られながら、流れていった。

波がせわしくぎらぎら光って、

ゆっくりと、もういなくなったよ。」

 

ブルーサンダー』暁方ミセイ より

 

この詩はもっと長くて、中略してしまってはいけないけれど、してしまいました。すみません。

好きな詩。

昨日引用した井坂洋子の詩の中にも雨が入っていたけれど、最近雨が多いから選んでしまったのかな。

 

「黒庭」って現実のなにかなのかと思い検索したら遊戯王が出てきました。もうひとつ「ぎゅう黒庭」というお店が出てきたのだけど、こちらは熊本県玉名市にあるようで出生地の近くでした。この詩集に登場する神奈川県の地名や鶴見川は横浜で育った身としては馴染みのあるもので、なんだか縁ですね。

 

たった今、井上尚弥vsノニト・ドネアをAmazonプライムで観た。あまりに圧巻で、なんだか競技をみたという感じがしない。一曲聴いた(観た)、あ、終わっちゃった、みたいな。

ザ・マッチがあと2週間後と思うと、随分月日は経ったんだと感慨深くなる。

今はandymoriのライブ音源をAppleで流しながらこれを打っています。

 

今日はリハビリで1ヶ月ちょいぶりに、歩いた。往復3mくらい。ふくらはぎが攣りそう。再来週にはトイレまで歩いて実際に使えるようになるという目標なのだけど、はたしてどうかしら…。

食後の痰の出やすさ、身体を横に向けるきつさ、一度出たら6.7時間は持続して相当量の痰が出続けてしまい、他には何も出来なくなってしまう事を考えると、やはり肺自体は着実に悪くなっている、弱っているだろう。

1ヶ月間健康な肺と替えてくれたら、1ヶ月後喜んで死ぬだろう。欲が出る? いや、もう何も出ない。